ゆめちん

逆転のトライアングルのゆめちんのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
4.0
逆転のトライアングル
 
2022年カンヌ国際映画祭でパルムドールを獲得した作品。R・オストルンド監督は2017年に続き2作品連続の受賞とはすごい。
 
落ち目のモデルのカールとモデルでインフルエンサーとしても注目を集めているヤヤ。関係に亀裂が生じ始めている美男美女カップルの2人は、招待を受けて豪華客船クルーズの旅に出る。
 
前作の "ザ・スクエア 思いやりの聖域" はあまりにもメッセージ性が強く、強烈で居心地の悪い作品だったけど、本作はそれから比べるとかなり鑑賞しやすい。エンタメ性とメッセージ性がバランスよく構成されているという印象で、147分の尺も全く気にならず。
 
とはいえ相変わらずR・オストルンド監督の "毒っ気" は今作でも健在で、H&Mとバレンシアガを交互にいじる冒頭からもう既にアクセル全開。
"階級社会" をテーマに、ブラックユーモアを交えたセレブと使用人の逆転劇で、出てくるキャラクターや会話の中身などが誇張されつつも、リアリティがありしっかりと本質を捉えているので観ていて面白い。
 
とにかくブラックユーモア満載だけど、最も皮肉が込められたシーンは明らかにラスト。ここまで逆転劇を描きはしたが、はたして現実は・・・。最後のアビゲイルの表情が皆さんにどう映るでしょうか。
ゆめちん

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