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ヘブンズ・ラッシュのdm10foreverのレビュー・感想・評価

ヘブンズ・ラッシュ(2022年製作の映画)
3.8
【断片の短編】

そもそも、『起承転結』で言うところの『転』あたりだけを(バサッと)切り取ったような作品なので「物語」も「メタファー」も「隠し要素」もない、
なので、観る方も余り深いこと考えずにサラッと観れる。
惜しむらくは、この作品の本編にあたる「最強殺し屋伝説国岡」を劇場で見られなかったことか。

ただ基本的に阪元監督の描く世界観を総合すると、「殺し屋」や「ヒットマン」達が僕たちの住む世界よりも若干自己主張が強めで、極端な話をすれば野良猫や野良犬よりも出会う確立が高い設定。
パチンコならばかなりの高確率台と言える。

一応目立たないように…なのかもしれないけど、ゴリゴリに目立ってるし、バリバリにお日様を浴びて生きている。
で、日々いたる所で「命(タマ)のとり合いやでぇ!(岩下志麻)」が繰り広げられる。

基本的に「阪元作品」のどれにも受け継がれている「DNA」のようなもの。
それが短編だろうが長編だろうが、パッと見て「あれ?これ阪元監督の作品じゃない?」って言わせたらある意味「勝ち」ですよね。
だって、まだ全国規模で公開されるような作品でいったら10本にも満たないような監督が、「~らしい」っていう評価を得ているって、これって何気に凄いことだと思います。

そういった意味ではこの作品も、たとえ本編(最強殺し屋伝説国岡)を見ていなくても十分面白いし、「らしさ」を感じられる一作だったと思います。

たった9分の作品で何が描けるのか?なんて考えてはいけません。
たった9分をフルに使いきったような切れ味のいいアクションムービーです。
いわゆる「阪元組」の伊澤彩織さんや伊能昌幸君も出ていたので安心感もあり。

特に伊澤さんはスケジュール的にはかなり忙しいんじゃないのかな。
大作も結構控えているし、最近はハリウッド作品でも名前を見かけるし・・・。

そしてやっぱり出てくるとワクワクする。
今作でも出てきた瞬間に「来った~~~!」と興奮するdm。
あのゆる~い感じから(フッ)と一瞬で殺気が漲る感じがホントにカッコいい。
男性相手にしても一歩も引けを取らない完璧なアクションはついつい何度も見てしまう。
あの可愛いルックスとは対極にあるような過激なアクションはもう・・・・
BE-BOPの菊リン風にいえば「惚れた」の一言(笑)。

時代が時代ならきっと志穂美悦子さんを超える「アクションヒロイン」としてもてはやされたでしょう。
でも今はそんな時代じゃないし、そもそも彼女はそういう枠には収めきれないポテンシャルの持ち主なので、本当に「日本発のアクションスター」として世界で活躍して欲しい。
ハリウッドでもスタントとしてではなく「伊澤彩織」としてフィーチャーされる日もそう遠くないと信じています。
そしていつか、そんな才能を早くから見つけていた阪元監督の作品が再評価され・・・・。


あ~何か独特の世界観って考えてたら、無性に「鮫肌男と桃尻女」が観たくなってきた。
DVDどこかにしまってあるはずなんだけどな・・・・
よし、近いうちにあっちももう一回観よう。
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