アンソニー・ホプキンス主演「ファーザー」や「PLAN75」といった映画と大枠では同じとなる高齢者介護がテーマです。
そのテーマ自体はとても興味深いもので、当作は介護する側の視点で描かれており、高齢化社会において当然のことであるのにも関わらず当事者以外は目を背けがちな問題を浮き彫りにしています。
展開も上手く、俳優陣も流石で映画に吸引力があるはずでした。そうならなかった、どうも気が逸れてしまったのは演出のせいでしょうか。
松山ケンイチ演ずる主人公の髪型は若白髪という設定ですが、それを知るまではオシャレな染め方をしているのかと思っていました。
キャラクターひとりひとりのセリフが長く説明調です。特に柄本明、こんな時にこんなに喋るのか、という感じです。演技自体は迫力があるので尚更違和感を抱きました。
終盤にワンカットで挟まる、風俗の休憩室のようなシーンもノイズで、何となく言いたいことが分かる分「余計なことを」と切なくなりました。
どうも居心地の良くない映画です。
テーマ 3.6
画 2.4
ストーリー 2.9
キャラクター 2.2
音楽 2.3
豊かさ 2.0
