さすらいの雑魚

さかなのこのさすらいの雑魚のレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
3.9
井川遥、超綺麗な小母様になってらっしゃる。いやいや、これは今が彼女の美の全盛期やも知れん。
朝日の清々しさは失われ、中天に日輪を輝かす青春の覇気は衰退しても、穏やかな午後の陽気は優しく私達を包み癒す。今作の井川遥はそんな感じの母親役を静かに熱演。キャリア・ハイなくらいに印象深い演技だった気がする。

そして のん が性別を超えて さかなくん を好演。
と、言うか さかなくん と言うキャラクターを自家薬籠中の物にしてた。
声も外見もなにもかも違うハズなのに、魂の色彩のレベルで寄せてきてたから、学ラン姿のアレは誰もが言うだろうが さかなくん そのものだった。
スゲェ役者さんだよ、のんさんは。
実力を見抜き起用した監督さんやプロデューサーさんの目利きも素晴らしい♪

こうゆうの見てるとハリウッドあたりでドタバタしてる役柄と役者の人種や性自認を合わせねば、的なこだわりが薄っぺらく見えてくるかなぁ。
人種差別や性差別反対が大切なのはわかるけど、
なるべく大きな器からベストな素材をチョイスして最高の作品をつくる。
それではダメなのだろうか?と思えてくるのですよ。雑魚の妄言ですけども。

ほんの少量ですがグラン・ブルーに寄せてる感もあって、そんな所も雑魚的には嬉しい佳作です