ミシンそば

平原の待伏せのミシンそばのレビュー・感想・評価

平原の待伏せ(1953年製作の映画)
3.8
監督バッド・ベティカーか!
音に聞こえしバッド・ベティカー。50年代初頭の映画とは思えないほど、チャレンジ精神と“新しさ”に溢れた野心作。

グレン・フォードの寡黙なヒーロー像と、西部劇が誤謬的に抱え続ける私刑を罷り通らせようとする醜さと差別意識(戦争状態なのでメキシコ人への心証がクソ悪いことを加味しても)を真っ向から描いている。
西部劇がこういうスタイルになるのがあと3年早かったら、カウンターカルチャーも、もう少し早く発生したのやもしれないな。

爆破シーン、銃撃シーン、騎馬疾駆シーン、全部高いクオリティでランタイムのスリムさも全部利用して自分のしたいようにした感が強く、見てて心地よい。
ただ、のちにジョン・ウェインが「アラモ」を撮るのも納得できるような、アラモ玉砕周りの描写の薄さだけはどうしても感じた。