地顔が不機嫌なオーブリー・プラザがハマり役です!
エミリーは多額の学生ローンを抱えているが、犯罪歴があるためにフルタイムの仕事に就けず、ランチのケータリングをしている。借金を返しても利子が高すぎて元金を減らせない。
そんなある日、一緒にケータリングをしている同僚から、一時間で200ドルになる仕事を紹介される。それは偽造されたクレジットカードで大型TVを買ってくるというもの。
どうもこの商売は、口コミでエミリーみたいな人を探し出し「嫌ならやらなくていいよ」と無理強いはせず、しかし足がつくとまずいので同じ人を何度も使わないみたい。
しかしエミリーは顔が怖いせいなのか(笑)、もっとでかい仕事を頼まれる。今度は2000ドル稼げる。しかしめちゃくちゃ怖い目に遭う。
なのでエミリーは、ズブズブと犯罪の世界に引き込まれそうになると「いや〜、それはちょっと・・・」と断るのだが、そのたびに借金の利子が増えていたり、ケータリングの仕事の時間を減らされたり、やらざるを得ない状況に追い込まれる。
このエミリーのキャラが、今のミレニアム以降の世代を良く表しているなあ、ととても興味深かったです。エミリーはアートスクールに通っていたのだが、当時付き合ってた男としょっちゅうケンカしていて、それで警察を呼ばれて暴行で犯罪歴が付いて大学を中退し、その後は犯罪歴のせいで仕事が見つからないという「負のスパイラル」が、この世代独特のリアリティがある。
最後の大仕事の前には、やっとデザイナー・アシスタントの面接を受けられる。しかし、この仕事はインターンで無給の仕事とわかる。
これもこの世代の悩みなんじゃないかなあと思った。学生ローンがあるのに、有名な大手会社は安く新人を買い叩く。バブルの時代だったら新人が破格の給料で雇われていたところを・・・。つまりお金に余裕がある人が更に高給な仕事に就き、お金がない人はずーっと這い上がれない。
しかしメロドラマチックに同情するような作りではなく、ピーンと緊張感がありハラハラする。その辺はネタバレになるのでコメント欄で!