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PIGGY ピギーのAPlaceInTheSunのレビュー・感想・評価

PIGGY ピギー(2022年製作の映画)
3.8
U-nextに加入していると、確か月額料金が3000円くらいなんですけど、そのうち1200円が毎月ポイントとして付与されて、ポイントを使って有料作品を鑑賞するという仕組みになっている。
月末になるとポイントの有効期限がきて1,200ポイントくらい無効になるので、毎月終わり頃になると、そろそろポイント消化しないとなぁとか思いながら作品を探すのです。観たい作品は山のようにある筈なのに、そういう時に限って「これ観る!」というのに出会わないんですよね。そんなこんなで2023年の年末にUnextポイントで鑑賞した作品が「PIGGY」。スペイン映画。

【あらすじと概要】
自分をいじめる同級生を目の前で誘拐された少女が究極の選択を迫られる姿を描いたスペイン発のリベンジホラー。

スペインの田舎町で暮らす10代の少女サラは、クラスメイトから執拗ないじめを受けていた。ある日、あまりの暑さに耐えきれず1人で地元のプールへ出かけた彼女は、そこで怪しげな男と、3人のいじめっ子たちに遭遇する。その帰り道、サラは血まみれになったいじめっ子たちが男の車で拉致されるところを目撃。警察や親に真実を打ち明けて捜査に協力するべきか、それとも沈黙を貫いて自分を守るべきか、決断を迫られるが……。
テレビ業界でキャリアを積んだカルロタ・ペレダ監督が、ゴヤ賞を受賞した2018年制作の短編映画「Cerdita」を自らのメガホンで長編映画化した。「テリー・ギリアムのドン・キホーテ」のラウラ・ガランが主人公サラを演じ、ゴヤ賞で最優秀新人女優賞を受賞。  (映画.comより)

【感想 ネタバレ有り】
英題がPIGGYで、原題(スペイン語)がCerdita。どちらも豚。
主人公は肥満体系の女子学生サラ、実家は精肉店。家族も肥満体型。
冒頭は、製肉を刃物で力強く断ち切るシーンから。肉、豚、そしてホラーの予感をほのめかす。

体型の事をあげつらって、同級生達から「小豚、小豚」と心無いイジメを受けるサラ。泣くとブタのようにブヒっと言わせたりして、作り手は意識的に露悪的にブタのモチーフを盛り込む。

同級生のイジメのやり方が結構酷くて、思い出すのはスペインのサッカーファンで、同じサッカー大国でもイングランドなんかだと今は露骨な人種差別をやらない(恐らく学校教育と差別した場合の世間からのバッシングが抑止力になっている)んですけどスペインのファンは未だに黒人選手にモンキーチャントやったりするんで。

ところで本作は、映画紹介にあるようなリベンジホラーなのかというと、そうではなく、一捻りあって。
同級生にはイジメられ、家では抑圧的で話を聞いてくれない母親に辟易している、そんなサラの事を唯一、ありのままの見てくれていて理解してくれるのが殺人鬼なのだ、という仕掛け。
その殺人鬼が自分をイジメていた同級生を監禁していて助けられる状況に有った時に、どうするのか??
そこは見てのお楽しみで。

なかなかの秀作でした。
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