なだ

不思議の国の数学者のなだのレビュー・感想・評価

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)
4.5
予告に惹かれ、愛聴しているラジオの映画解説者、矢間敏彦さんが「思わぬ拾い物」とお勧めされていたので鑑賞。

韓国の名優チェ・ミンシクさん3年ぶりの出演、味わい深い演技が素敵でした。

脱北した天才数学者ハクソン
自由を夢見て来た南ではその能力を活かせず、夜間警備員としての苦しい暮らしが待っていた。

有名進学校の1年生ハン・ジウ
は優しい青年。母子家庭で特待生で入学したものの、級友のように塾に通えず落ちこぼれ寸前。

脱北し大切なものを失った数学者と劣等感に悩む若者が出会い数学の授業を通して、数学とは「正解を出す事よりも答えを導く過程が大切」
と成功や結果ばかりが求められる現代社会の風潮を否定しています。
年齢差を超えて親子のような2人が大切な事を共に共感していくストーリーが素晴らしい。

数学は苦手でチンプン😵‍💫ですが、バッハの曲や円周率を楽譜にするπソングで楽しくわかり易く表現しているので苦手でも大丈夫。

終盤、思いのたけを語る数学者ハクソンに感涙。上映館が少ないけれどかなりの良作です。
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