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MEN 同じ顔の男たちのtotsu9pieroのネタバレレビュー・内容・結末

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

景色の映し方が現実離れした絵画のようで美しい。美しいがどこか不自然、不気味。
一見よくわからないものの映り込み方が絶妙。見えそうで見えなかったり、またはなんとなく観ていたら「いた」となるのが薄気味悪くて素晴らしい。
照明もすごく面白い。石像に当てる光の加減で普段見るのと様変わりしていたり、暗い夜道に照明がついたり消えたりするだけでも恐怖を覚えた。
カメラの構図はどこか人の視線のような動きや高さだったりで覗き見るような視点。こちらを不安にさせてくる。誰かから見られているかもしれない感じと、よく見えない感じの両方。
人が人を産む感じもかなりリアルで、やってることは気持ち悪いのだが目が離せなくて映像的に惹きつけられた。(繰り返しすぎてだんだん主人公が塩対応になり、ついには無視して去ろうとするのがちょっと笑ってしまった。)
トンネルで歌った歌?が気味が悪くて、再度流れた時はゾクゾクした。音程の関係だろうか、聴いていて落ち着かない、ソワソワさせてくる音楽。
同じ顔と気づかなかった役もあり(自分が日本人で見慣れないからか?)、観ているうちに同じ顔だと気づいてきたのも余計気持ち悪かった。
最後の主人公の笑顔がまた不気味。結局途中から錯乱して妄想と現実がわからなくなってしまったのか、それとも本当に同じ顔の男たちはいたのか…。

だいぶ羅列になってしまったが、視覚音響効果がすごく良くて後味の残る作品。戦慄するくらいの恐怖映画だった。
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