美しいバイオリンの音色の裏に蠢く緊迫した人間関係。
バイオリンのソリスト同士の恋人。
明日のオーディションに向けて互いがライバルでありながらも、支え合う。
どちらか選ばれても憎みっこなしにしよう。
そう決めた二人の間には互いを思う純粋な愛しか見受けられない。
知り合いでもある審査員の男性が、彼氏の方に声をかける。
「目隠し審査でも君がわかるように、鉛筆を落としてくれたら僕は君を通過させるよ」
驚くほどアンフェアな審査員の提案。
そんなやりとりを盗み聞きしてしまう彼女。
もう、そこから疑心暗鬼が始まる。
彼は一度は受け入れるものの、グッと堪えて素晴らしい音色を重ねてオーディションに臨む。
しかしながら終わった後の彼女のスッと引いていくテンションがなんとも恐ろしい。
たとえ弁解させてもらえたとしても、提案を拒絶せずに一度受け入れた事実と会場に鉛筆を持ち込んだということがアウトであり、もう信頼は取り戻せない。
彼女がいたからこそ、彼は一流のソリストになれたのに、彼はあのとき一瞬魔が差したことによって大切なものを失ってしまった。
そもそも審査員長である先生の部屋をこっそりと訪れることに彼の弱さが滲み出てる。
うー!後味悪いー
こんなアンフェアな事って結構日常茶飯事なのだろうか?
音楽は尊い。だからこんなことが無いと信じたい。