蛇らい

胸騒ぎの蛇らいのレビュー・感想・評価

胸騒ぎ(2022年製作の映画)
2.5
言葉を放棄することの愚かさを直接的な感性へのダメージで訴えかけてくるタチの悪さは、良くも悪くも有効だ。他人と関わる時のストレスを事細かに提示し、そのストレスがいつのまにかスリリングへと変遷していく気持ちよさがあった。

全体の整合性の建て付けとしてそういうものとして受容すれば問題ないが、やはり引っかかる部分は引っかかる。旅先で出会っただけの関係性の他人の家に泊まりがけで遊びに行くのか、無言で立ち去った家にもう一度泊まり直すのか、あんなに粗雑でストレスを感じさせる夫婦が何件もの家族を取り込むことに成功できるのか、挙げればきりがない。

石を投げるラストカットは意思表示をしないことはもはや罪であるという割り切りの良さを感じつつ、そうはならんだろというモヤモヤと共に幕を下ろした。
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