青二歳

じゃりン子チエの青二歳のレビュー・感想・評価

じゃりン子チエ(1981年製作の映画)
4.0
子供の頃は怖かったけど(大阪弁のヤクザの喋り方に怯えていた)、大人になって見るとこれは結構見ごたえのあるキャラクター達…!やだ面白い。
テツとお母ちゃんの関係がいい(要はだめんずだから別れて正解なんだけど、それじゃ昭和のドラマは成り立たない)。子供も小学生で、余程の事があっての別居なのに、お互い夫婦とは思えないくらい惚れあっていて、未だ付き合いたてのような初々しい遠慮があるという夫婦。もちろん一緒に暮らすとお母ちゃんの苦労は並々ならぬものがあるでしょうから、これは別居してこその関係性なんでしょうが。
ただなんだか妙に味わいのある夫婦です。チエがこの二人を、父母としてよりカップルを見守るような眼差しを向ける感じもあって、それもまた良かった。夫婦のあり方なんて様々だわなとなんだか許されるような。

意識的なんでしょうが、いろんな登場人物の視点で映されるのが良いですね。チエだけの視点ではなくて、まるで自分がこの大阪の一角のご近所さんになったような気分になる。その程よい距離感が物語がもつ空気を優しいものにしている。
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