シガーandシュガー

座頭市海を渡るのシガーandシュガーのレビュー・感想・評価

座頭市海を渡る(1966年製作の映画)
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同じ日本内が舞台だけど、舞台に海を意識させるせいか、どことなく異国情緒を感じて画面が楽しかった。

物語としてはいつもの通りの、市っつあんの孤独と強さを感じさせる筋立て。
島という閉鎖的な設定だからという理由だけではなく、今回の話がぎゅっと引き締まっていた気がするのは、「悪い馬賊」「ずるい村人」をシンプルに配置し、その一方で、奇異な縁で結ばれた「はからずも手にかけてしまった男の妹」を市のただ一人の味方として置き、市との深い心の交流をじっくり持たせていたからなのかなと思う。二人のシーンはとても良かった。可憐なルックスでありながら、市の凄みと可愛らしさと業の深さをすべて受け止めてしまえそうな娘・お吉がとてもいいヒロインだった。

悪の親玉の山形勲のだらしない体を見ることができるのも目玉かも(大体は大名か侍姿なので)。