「ニュースをお伝えします。75歳以上の
高齢者に死を選ぶ権利を認め、支援する制度、通称『プラン75』が今日の国会で可決されました」
75歳以上に死の権利が与えられた世界のお話。そのサービスの担当になった公務員と、訳もわからないまま遺品処理の仕事に就いた外国人、死を望まないままプラン75の利用へと向かってしまう老婆の姿を描く。
倍賞千恵子の演技がとてもよく、友達の死を目撃する絶望、初めて炊き出しをもらってしまった時の悲しげな表情、15分だけ話を聞いてくれる電話サービスが救いとなってしまう姿…そのどれもが哀しくて良かった。電話サービスの話し相手の女の子との密会(ボーリング)と、電話の繋がらない別れは切ない。
設定は社会派だけど、ないとも言い切れない未来に老いるのが怖くなる映画。
以下、セリフメモ。
「いつも、先生とお話しできるのが嬉しかった。おばあちゃんの長話に付き合ってくれて、本当にありがとうございました」
「それでは…これで…」
「さようなら」