たま

午前4時にパリの夜は明けるのたまのレビュー・感想・評価

4.0
フランス映画らしい、ぼんやりとした、なんてことない映画。
だけど響いてくる。何でだろう。

夫が出ていき、家族を養わなくてはならなくなったエリザベート。ろくに仕事の経験も無かったけど、運良く深夜のラジオ番組のアシスタントとして職を得る。

そこから世界観が変わっていくエリザベート。
刺激があり、出会いがあり、元々不仲だった夫婦の離婚がもたらした、ギフトのようにも思える。

エリザベートはラジオ番組で出会った、タルラという居場所のない少女を家に連れてくる。
タルラの存在は家族にスパイスを与える。すっかり本物の家族のように心を開くのだけど、上手くいかないのがもどかしい。

1980年代のパリの様相。7年の歳月の物語。じんわりと心に染みる。

住み慣れたアパートメントを離れ、子どたちも巣立っていく。
やはり少し物悲しい。

80年代から活躍する、シャルロット・ゲンスブールやエマニュエル・ベアールの出演と言うのもなかなか興味深い。
たま

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