ゆめちん

午前4時にパリの夜は明けるのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.5
午前4時にパリの夜は明ける
 
"アマンダと僕" 以来のミカエル・アース監督作品で、公開前から楽しみに。
 
1981年、ミッテランが大統領に就任し、パリの街が祝賀ムードに包まれた選挙の晩、エリザベートの結婚生活は終わりを告げる。1人で子供たちを育てることになった彼女は、深夜放送のラジオ番組の仕事に就く。
 
喪失感を抱いた人々を温かい眼差しで描く、ミカエル・アース監督らしい優しい作品。大きい出来事は起こらないが、哀愁を漂わせるパリの街並みがどのシーンも美しく、それだけで居心地の良さを感じる。

普通に生活をしていれば、何かに葛藤したり、ちょっとした幸せを喜んだり、悲しみに打ちひしがれたり、それらを少しずつ乗り越えていったり、様々なことがある。
本作はそんな主人公たちの日常を淡々と見せながら、その感情や想いを丁寧に積み重ねていき、改めて家族の在り方とは何かを教えてくれる。

エリザベートを演じたシャルロット・ゲンズブール。 スクリーンで観るのは "サンバ" 以来だけど、素敵な年の重ね方をしているなという印象。 今後のさらなる活躍が非常に楽しみ。
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