yuuuumi

空はどこにでものyuuuumiのレビュー・感想・評価

空はどこにでも(2022年製作の映画)
3.7
A24作品。

姉・ベイリーを亡くしたレニーは喪失感を感じていた。
そんなレニーの思い描く背景や視点、10代のポップな気持ちを表現した鮮やかな色彩が融合したような色使いが可愛い作品。

暗い内容でありながら、美しいバラの庭や、暖色が散りばめられた小物など、アートの中の世界のようだった。

前に進む事ができないレニーの心の拠り所は大好きな音楽と、姉の恋人や、気になる男子のジョー。
こうしたいけど、したくない。10代特有の矛盾した気持ちや葛藤、不安定な状態や安定感など、ユラユラした感情が明るく描かれる。

まだ経験した事のない未知の世界だらけのレニーは想像の世界を体験したり、姉ベイリーのようになりたいと願ったり、この作品はその時々の移り変わるレニーの心の状態を表現しているように感じた。

姉の死を乗り越えて前に進んで行こうとするレニーの芸術家特有の気持ちに同調できれば楽しめる作品だと思うし、劇中に流れるクラシック音楽や演奏もロマンチックだった。

同じ学校に通うジョー役のジャック・コリモンがとても魅力的で素敵だったし、主演のグレイス・カウフマンがとてもキュート。
まるでフランス映画のようなオシャレな映像の世界だった。
yuuuumi

yuuuumi