あかね

モリコーネ 映画が恋した音楽家のあかねのレビュー・感想・評価

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モリコーネの作品が好きな友人に誘われて見に行った昨年のコンサートに続きこちらも鑑賞。
今までにも好きな映画音楽は沢山あった。パイレーツ・オブ・カリビアンだとか、魔女の宅急便だとか。何度も聴きたくなるような音楽はあった。
しかしエンニオ・モリコーネの音楽は、それらとは違う次元で琴線に触れる感覚があった。視覚的な感動と聴覚的な感動が上手く釣り合っているような、調和しているように思えた。

エンニオの知人らが言うように、監督らとの対話においてもそう、彼らが作る映画に対してもそう、どんな事柄においても彼はその心理を理解する能力に長けていたのだろう。
緊張感溢れるシーンで敢えて穏やかな音楽を取り入れるという技法は、心を理解する能力に長けていたエンニオだからこそ出来たことだ。直接的に見える部分ではなく、その裏を見る能力。それによって視聴者が登場人物に持つ印象を広げることが出来たのかもしれない。

海の上のピアニストでは、エンニオが音楽という海の上でしか生きられない主人公に強く同情したからだろうか、聴いた瞬間から強く惹き込まれた。
今回の映画やコンサートで彼の生涯に触れたからかもしれない。

帰宅して即座に海の上のピアニストのサウンドトラックを購入した。

映画音楽という礎を築いた彼に深い感謝と畏敬の念を捧げたい。
あかね

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