世界最高峰のオーケストラの主任指揮者にまで上り詰めた主人公が、とある出来事をきっかけに立場を危うくしていく様子を描いた作品。
主人公約のケイト・ブランシェットの演技が凄まじかった。男性的で理路整然とした口調、威厳まで漂うほどに役を演じきってきた。男性口調の字幕をつけた翻訳家さんもいい仕事をしたと思う。
主人公は、能力が高いがゆえに傲慢にも見えかねない人物で、それがこの映画のポイントになっていると思う。映画の結末も、観る人によって解釈が変わるように緻密に計算されて作られているように感じた。
ネット社会の危うさと、ハラスメントの判断基準の難しさについて考えさせられる、非常に見ごたえのある作品だったと思う。
