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ティルのTのレビュー・感想・評価

ティル(2022年製作の映画)
4.0
1955年、白人女性に口笛を吹いたというだけの理由で14歳の黒人の少年がリンチ殺人されたという実際にあったエメット・ティル殺害事件を映画化。

遺体を見る母、葬式で遺体を見る参列者の演技は壮絶で、こちらも直視したくない衝動にかられるほど。スクリーンの中の悲惨な遺体は、これまでの映画体験があるのでなんとなく見てしまえる人が多いと思うけど、見る人の壮絶な反応によって同じ気持ちにさせられる。痛々しくもこの映画を象徴するような白眉のシーン。

60年以上たった今、ようやくエメット・ティル反リンチ法が成立。あまりにも遅い。

ネット上には映画にからめて様々な記事があがっていて、それを読むだけでも勉強になります。

今を楽しむ娯楽映画とは一線を画す、心にズシンと重いものを持ち帰り、心に刻みつけられる映画でした。
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