にこまる

生きる LIVINGのにこまるのネタバレレビュー・内容・結末

生きる LIVING(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

基本的に原作と展開は同じだけど
ロンドンらしい点がいくつか

特に原作と異なる概念として"ジェントルマン"が挙げられるかな

原作で生きる目的を探す志村喬は、工員としてイキイキと働く元同僚の女の子から働くやりがいと、子供の為っていうヒントを貰うけど、今作では主人公が自らの初心に帰って自分で目覚め行いを正す

この違いがイギリス版独自のテーマである"ジェントルマン"だと思う

同じ繰り返しの日々の中で憧れた姿を見失い、ジョークを許さないルール作りや、見た目だけの紳士となっていた事に自分で気がつき己を律する

原作のテーマが"生まれ変わり"なら、今作は"立ち返り"、バースデーソングが流れなかったのはそれが理由だと感じた

ラストシーンが違うのも、見本として誰かの影を追うのでは無く、大切なのは自分がどうするかというメッセージと捉えた

ただ、小さな公園の価値は、ロンドンの綺麗な街並みよりも、戦後日本のゴチャゴチャした画の方が感じられたかも、そういう意味で感動の大きさは原作が勝るかな

あと、個人的に"うどんのおつゆを全部飲んでしまう人が"という原作のセリフが、イギリス版ではどうなるのか楽しみだったんだけど普通にカットされてた

"アフタヌーンティーをポット丸々"かなとか勝手に思ってたんだけど、そこもジェントルメンな作品だった
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