トムヤムくん

夏へのトンネル、さよならの出口のトムヤムくんのレビュー・感想・評価

3.1
ウラシマトンネルと呼ばれる欲しいものが何でも手に入る不思議なトンネルを見つける話。微妙。

『氷菓』みたいな寡黙な主人公。『エヴァンゲリヲン』みたいなセカイ系っぽい空気感。(説明が少なくてよく分からない感じも似てる)。そして青い空・海を基調とした新海誠みたいな映像。花火やトンネル内の描写は『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』っぽい。

ずっと既視感凄かったし、如何にもオタクが好きそうな感じのアニメ映画だなぁって思った。『君の名は。』以降やたら乱立されているSF青春モノ、その中で何か抜きん出た要素がひとつでもほしかった。らっぱり新海誠みたいな映画は新海誠を越えられないんだな、と。

まぁ色々複雑に描いてるけど、結局は「今隣にいる女性を選ぶか、過去に失った女性を選ぶか」的なよくある話だったのもなあ。ただ普通にタイムリープするわけじゃなくて、相対性理論に基づいている設定なのが唯一良かったところ。

恋愛描写があんまり伝わってこなかったから、ラストの「会いたい人があるんだ!」からのキスシーンは唐突でびっくりしたけど、その後の「10秒で6時間分のキスをした」みたいなセリフは重みがあって好きだった。