クドゥー

夏へのトンネル、さよならの出口のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.0
『黒髪ロングの美少女は、特別を追い続ける特別』

孤独を抱える少年少女が欲しいものがなんでも手に入るトンネルの謎に挑む田口智久監督作品は、作者の性癖としか言い様がないラノベ設定が密度の濃いドラマとして丁寧に昇華され、ジャンルの到達点と言える巨大感情が待っている青春ファンタジーアニメの傑作。

やはりこの手のジャンルでは主人公のメンタルレベルが最初から100で良きことを弁えており、相対評価より絶対評価の甘酸っぱい描写はさよならする過去との均衡を壊すレベルで、どう考えても僕らアラサー世代に一番刺さってくる売れ線のなさも僕には最高である。

フラットからの僅かな変化が感情の流れを伝えてくれるキャラクターデザインがドストライクで、舌足らず感がかえって生っぽさを演出しているタレント声優の芝居も日本の文化だが、文字よりも映像の方がキマるであろう例の物は原作ではどう表現されているのか。
クドゥー

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