浪川リオン

すずめの戸締まりの浪川リオンのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.2
公開日の翌週くらいにIMAXで観ました。

主人公の女の子に全然感情移入できず…… いくら記憶の底を揺さぶるような面影があったとしても、単純にイケメンだったからとしても、それがあの人気の無い山にまで追いかけて行きたくなるほどの動機になり得るだろうか、責任を感じていたとしてもあの椅子(草太)に「死ぬ事よりもカレがいなくなる事の方が怖いです!」と叫ぶほど心が通う場面があっただろうかとか…… 平たく言うとずっと気が散ってました。

登場人物も無駄に多い気がする。心の闇を抱えてる叔母さんとかチャラい同級生とか、あんまり物語に必要なキャラクターだと思えなかった。その割には画面に出てる時間が長い。つまりあんまり脚本がうまくできてないんだと思う。
新海誠監督は映画を作るにあたって作りたい絵面、シーン、コンセプトビジュアル等は提示しつつもシナリオ作りにおいては脚本家に一歩二歩譲った方が良い気がする。『言の葉の庭』や『星の声』なんかは描きたいシチュエーションが明確で、かつ短編、中編くらいの長さだったからこそ絵の美しさが映えていたのだと思う。

駄作! とも思わないけど見終えたあとにモヤモヤが残るようなお話でした。現実で起きた悲惨な事柄をテーマにするんならそれはやっぱりファンタジーに落とし込まない方が良いと思う。

あと新海誠監督は『天気の子』の時もオーマイコンブが作りそうな変なオリジナル料理を映画に出してきたけどマジで滑ってると思う。何ポテトサラダ焼きうどんて。『言の葉の庭』のエビとゴーヤの乗った冷やし中華は本当に美味しそうなのでソレは真似して作りました。

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