ゆめちん

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのゆめちんのレビュー・感想・評価

3.0
エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス
 
アカデミー賞7部門受賞し、その受賞式でのミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァンの受賞スピーチには感動。鑑賞は発表前でしたが、観るのに相当エネルギーを使う作品で、観終わると心身ともにぐったり。
 
経営するコインランドリーは破産寸前、呆けた父や反抗期の娘に頼りない夫など、頭の痛い問題を抱えるエヴリン。そんな彼女の前に、突如として "別の宇宙から来た" という夫が現れる。
 
マルチバース設定がここまで浸透したのはMCUのお陰ではあるが、それらが何本もかけて描いているマルチバースの世界を、良くも悪くも132分で描き切ったのはすごい。
 
監督コンビの前作 "スイス・アーミー・マン" も型破りな作品だったが、本作はその比ではないくらいぶっ飛びすぎていて、そこを楽しめるかどうかで評価が分かれるところ。
 
移民家族問題、セクシャルマイノリティ、文化の違い、親子の断絶などの様々なテーマを、マルチバースの設定に落とし込み、カンフーアクションやナンセンスなユーモアでたたみ掛けながら、最終的には家族愛で締め括る。そんな盛りだくさんな内容に加え、早いテンポで展開されるのでついていくのがやっと。観終わると、これは難しいことを考えず、感じるままに身を任せるべき映画なのだと痛感する。
 
ミシェル・ヨーの様々なシチュエーションに合わせた演技の完璧さと、昨年還暦を迎えたとは思えない身のこなしのカンフーアクションに、アカデミー賞主演女優賞も納得。
 
ゆめちん

ゆめちん