Shun

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのShunのレビュー・感想・評価

4.6
\Fan’s Voice独占最速試写会にて鑑賞/
スペースFS汐留にて。

タイムトラベルものも好きだけど、今は断然、
マルチバースが来てる感じがします👍

昨年アメリカで公開されていた時から気になりすぎて待ち焦がれていた映画。
予告編を見ただけでぶっ飛んでることは確かですが、これほどまでにアカデミー賞に受け入れられる作品になろうとは…

結論、大傑作でした。
観てから10日ほど経ちましたが未だに余韻が残ってます。

家族でコインランドリーを営む中国移民の家族という極めて地味な一家をメインにしつつ、話が展開していくと前衛的なアートを見ているかのようなオシャレで不可思議な世界観は唯一無二。

こんなこと言うと気難しい映画のように感じるかもしれませんが、決してそうでもないんです。

ミシェル・ヨーとキー・ホイ・クァンがカンフーで敵を倒していくというわかりやすく楽しいアクションに、クレヨンしんちゃんを彷彿とさせるおバカなシーンをとことん真面目にやり抜く。
ちょっぴり下ネタもありますが…笑

遂にこの域にまで達したか…と既成概念を打ち破る2〜3分の斬新すぎるシーンを観た時はなんと自由すぎる映画なんだと思いました。

ここまで来るとカオスの極みですが、ちゃんと家族愛や絆も描かれているので、予想外でしたが感動の涙が押し寄せてきました。

人生を振り返った時、
「あの時、この選択をしていれば自分は今頃〜」
と後悔を感じることも多いかもしれません。
私自身転職したばかりなので、前の仕事を続けていたらどうなっていただろう…以前とは業界も職種も異なる今の仕事を選んで本当に正解だったのか…とあれこれ考えてしまう毎日。

この映画は人生観についても触れられています。
人の幸せを単純に推し量ることは出来ませんが、完璧でなくても目の前の幸福や愛すべきものを認識して正面から受けとめることが大切なことなのかなと感じました。

今あれこれ話題になっているLGBTQもテーマの一つになっていて、人ごとではないところも私に深く刺さった要因かもしれません。

当初、本作の主演をジャッキー・チェンにする話があったそうです。
それでは普通すぎてつまらない。
見たことがない映画を作りたい。
お母さん世代の中年女性がカンフーで敵と戦う映画はどうだろう。
そう考えたダニエルズ監督が主役に選んだのが、ミシェル・ヨーだったそうです。

地味なお母さんから映画スターまで様々なバースの役柄をこなしたミシェル・ヨーの演技が素晴らしいし、頼りない夫を演じたキー・ホイ・クァンの人格が変わった時のイケメンっぷりが最高!!
演技部門でこれだけ評価されるのも頷けます🧐

自由すぎるダニエルズ監督×A24配給とか神タッグだし、『アベンジャーズ』シリーズのルッソ兄弟が製作に関わってるので面白さは折り紙付き。

全然まとまってないですが、『エブエブ』は未体験の映画体験ができること間違いなしです。

アカデミー賞作品賞取って欲しいです。

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〈備忘録〉

上映後トークイベントに本作の日本版ポスターやパンフレット製作にも関わっているグラフィックデザイナーの大島依提亜さんと映画評論家の森直人さんが登壇。
Shun

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