柴田

気狂いピエロ 2Kレストア版の柴田のレビュー・感想・評価

気狂いピエロ 2Kレストア版(1965年製作の映画)
4.7
映像が終始キマりまくっててヤバい、誰かの評でどのカットを取り出しても予告編作れるとか言われてて共感した。撮影時点で現実では監督のゴダールとヒロイン役のアンナカリーナの夫婦関係が破綻してたらしくてそれを知った上で映画の中での役の扱いを考えるとゴダールの偏愛が怖い。人生の秒数と一緒にいた秒数を概算で出してそれだけしか一緒にいないのにお互いの全部のことを知ってるわけがないみたいなことを別れる前に吐き捨てるシーンとかゴダール自身どんな思いで言わせてたんだろ。殺人して恋人と逃げて最初は運命的な展開に心躍らせて最初は田舎の海で暮らすけど当然自由も無くなって、新しい服も手に入らんくなったり話題も無くなったりして、非日常が日常になっていってその生活に飽きてくる感じが生々しくて見てて辛かった。あとオチがタクシードライバーとかあっちの類の自暴自棄なって無茶苦茶するやつで好みやった。
柴田

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