クドゥー

名探偵コナン ハロウィンの花嫁のクドゥーのレビュー・感想・評価

4.5
『残酷な世界を包み込む、絶対正義の抱擁の果てに』

日本最強の小学生探偵が渋谷を襲う未曾有の爆弾テロに挑む「劇場版名探偵コナン」第25弾は、日本で唯一のハリウッド超大作級のスケールを誇るシリーズとしてのプライドを胸に、時代が求める国際協調路線を提示する殺人ラブコメ映画オールタイムベスト級の傑作。

「ゼロの執行人」では茶番感のあった公安と捜査一課の共闘により早くも花嫁どころでなくなり、犯人とそれを追う者たちとの情報量の差で魅せるミステリとしての力も歴代屈指だが、死してなお生き様が日本を守り続ける警察学校同期の熱さに心がエモを叫んでしまう。

それでも全てを超越するのはこだま兼嗣監督時代の犯人全部をハイブリッドさせた令和の怪物で、みんなの前で覚醒してから一対一にもつれこむことによって遥かなる高みへと達して、次回作でのネタキャラとして定着したあの男へのハードルが鬼高くそびえ立っている。



鑑賞記録
2022.04.15
新宿バルト9シアター9
→華やかさと力強さを兼ね備えたT・ジョイメイン館のパーフェクト上映。横浜で7時台の上映がなかったので急遽キメたが、この劇場を中心に巡ることが求められるとかそういうレベル。特殊上映は昨年でポテンシャルを測れているから今年は違うところを攻める。

TOHOシネマズ池袋6
→昨年はコロナで押さえられなかった今僕が最も美しい音を出すと思っている上映。T・ジョイの本気の後だと音量がもっと欲しいが、映画としての格式をワンランク上げた菅野祐悟の劇伴が凄まじく映える。映像の鮮やかと滑らかさについては非の打ち所がない。

TOHOシネマズ日比谷1
→期待したところで期待以上のものを体験させてくれるバッファの暴力上映。変則アレンジにより扱いが難しくなったメインテーマでブチ抜き、クライマックスまでのテンションが笑ってしまうぐらい楽しい。最近の都市型シネコン冥利に尽きる体感サイズも良き。

2022.10.29
横浜ブルク13シアター6 ハロウィン再会上映
→変則オープニングでなくおっちゃんの見舞いシーンがあれば今年ベスト。正直鬼滅とか呪術のドルシネクラスでないと細かいことは分からんが、映像に引き締まった緊張感が加わったように思う。これを機にパッケージ化でリバイバルする文化が広がってほしい。

2023.04.07
金曜ロードショー
→エンドロール後カットで意味不明に終わったカオス。
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