いい意味でクサさがクセになる、味付けの濃いヒューマンドラマ映画でした。
昨今散見される複雑な伏線を回収していくスタイルではなく、リラックスして観覧することができるので、あまり難しいことを考えずに、宮古島の美しさと古き良き人情に浸ることができます。
また上西監督の独特なセンスによるコミカルな場面は今作にもしっかり盛り込まれており、これが見事な箸休めになるので、こってりした作品ながらも、薄味好みな人でも完食できるようになっています。
物語の核心部分についてはここでは触れませんが、人も景色も含めた意味で失われつつある日本の美しさがそこかしこで描写されており、それは作品を通したメッセージだったりするのかもしれないと感じます。
物質社会に疲れた方は一度、頭を空っぽにしてご覧になられてはいかがでしょうか。
