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宮古島物語 ふたたヴィラのKUBOのレビュー・感想・評価

宮古島物語 ふたたヴィラ(2022年製作の映画)
3.8
私は上西雄大の演劇も映画も大好きだ。その上『宮古島物語』ときては見ないわけにはいかない。

昨年の宮古島国際映画祭で見られなかった『宮古島物語 ふたたヴィラ』をK’s シネマにて鑑賞。

まず私はもっと宮古島で映画を撮ってくれないかなぁとずっと思ってた。たまにあっても天気待ちができないからか、本当に美しい宮古ブルーを収めてくれたフィルムが少ない。

そういう意味では、22日間とたっぷり撮影期間を取った本作は、伊良部大橋、池間大橋etc.これ以上ない宮古ブルーを見せてくれる。

このヴィラに泊まれば本当に会いたい人に会えるという、宮古島を舞台に、上西雄大にしては珍しいファンタジー&群像劇。

ヴィラのオーナーの前妻の娘ヒマリ(古川藍)、コロナで亡くなった夫の面影を追って宮古に来た母娘、行方不明になった娘を探しに来た夫婦、そして久しぶりに島に帰ってきた訳ありの男ツヨシ(上西雄大)、それぞれの親子が宮古島で奇跡の再会を果たす。

涙涙のストーリーは「ザ・10 ants」「ザ・上西雄大」。いつもなら西成とか新世界がばっちりハマる人情物語と南国「宮古島」との融合はあるご縁からのことだと言う。

本作でミラノ国際映画祭で主演男優賞を獲っちゃった柴山勝也さんは上西雄大さんが名作『ひとくず』を世に出す時の恩人で、舞台となったヴィラのオーナー!

そんないわゆる「素人」の柴山さんがなんで主演男優賞を獲っちゃったのかは見てみればわかる。実は柴山さんの台詞はゼロ! よくこんな役柄を考えて彼に当てたと思う。これは演出の妙、上西マジックだ。

私の大好きな(小野寺)丈さんもいっぱい出てたし、島の友だちも出てた!10 ants ファンには古川藍さんのサービスシーンもあるよ!

宮古島にどっぷり浸かってる私にはファンタジー要素はこそばゆいところもあったけど、美しい宮古島の海と上西雄大ワールドとの異種格闘技戦! おもしろいよ。
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