ロランス

母性のロランスのレビュー・感想・評価

母性(2022年製作の映画)
4.0
大日向雅美さんが心理学の観点から「母性愛神話」に疑問を投げかけたように、湊かなえさんは小説でそれに挑んだ。

母性を絶対のものと据え置き、知らず知らずのうち女性の負担が重くなっているのは事実だろう。少しずつ、変わっているとは思うけど。

この映画はなかなかに怖い。
娘はよくグレないな…
と思いきや運命は巡っていくのか?

自分に余裕がなければ、誰かを守ることなどできやしない…つまり、この母親は危うい状態にあるわけだ。

「ずっと娘でいたい」「誰かに守られたい」という気持ちにすがるのは、自分が庇護されていると思えない環境ゆえではないか。

誰かを守るだけの環境は長続きしない。
守り、守られなければ。
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