往年の俳優達の名演技、ストーリー、台詞、背景、展開全て最高だった。
傑作企業ドラマ。
13代目片岡仁左衛門の古風な関西弁で語られる真実を突いた深く重みのある台詞、幅広い教養。
会社の人事権を握り、会社の金で若き女性音楽家のパトロンになったり、骨董品を買い漁る厄介な社主が何故こうまでもして会社を引っ掻き回すか、その悲しい理由。土下座のシーンは流石歌舞伎役者！と言いたくなる。素人にあんな土下座は出来ない。若い頃の中村玉緒の艶っぽい演技も、秘書として社主に尽くす昭和の女の姿も胸を打つものがある。商社の中で出遅れている商社が石油を皮切りにのし上がらんとする話なので専門用語がかなり飛び交うが、知識がなくても話の大筋はついていけた。終始繰り広げられる社内政治に目が離せない。
それぞれの登場人物にストーリーや生きがいがあり、それらが自然に溶け込み、滑らかにエンドを迎えていた。 夏目雅子が男の頬を打つ時、効果音が拳で殴った時のように重くてそれも笑えた。
とにかく登場している俳優の演技が本当に上手い。作中の職業を生業としているとしか思えない。
またいつか見直したい。
