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積木くずし真相~あの家族、その後の悲劇~のnorisのレビュー・感想・評価

3.0
以下は「積み木くずし 最終章」の感想なのだが、どうも見当たらないので(そんな作品をなぜ再放送していたのか)、しかたないからここに書く。ちなみに本作は未見。

7冊も続編が出た原作も読んだことがないし、最終回視聴率45%という不倒の記録を生んだ高部知子のドラマも見ていないのだが、どうも続編が出るたびに最初から語り直されているものなのか、本作はは1956年の穂積夫婦のなれそめから始まる。

穂積隆信を演じているのは中村雅俊だが、青年期から老年期までそのままなので、中村が本当は何歳なのかわからなくなる(あとで見たら放映は2012年)。

穂積隆信という人は70年代におそろしく大量の映画やテレビドラマに出まくっていた人だし、「積木くずし」は社会的ブームとなって印税や映像化権料などもかなり得たはずだが、それら及び別荘などを売り飛ばした金を、悪徳会計士と妻が持ち逃げしたことが本作で明かされている。

しかしながら、そのへんの事情の詳細や、穂積由香利(本作では#成海璃子 が演じる)が実際にナイトクラブ「積木の家」を経営していたり、ヌードになったり、結婚して離婚したりした経緯は、本作を見てもよくわからないようになっている(そもそも由香利はアメリカ留学などもしていて、本作で描かれている娘とは人物像が一致しない)。

本作では介護福祉士として働きはじめる寸前に亡くなったことになっているが(2005年の安達祐実版ドラマの設定を引き継いでいる)、それも実際は違うらしい(?)。

由香利の父親が誰なのかという問題も結局よくわからないままである。

特に映像化されたものはすべてフィクションと銘打っているので、重要と思われる部分が曖昧なまま、「私たち家族にとって『積木くずし』とは何だったのか」というお化けみたいな話にまとめられているのが、非常に気持ち悪い。
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