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ドクターX ~外科医・大門未知子~第4シリーズのnorisのレビュー・感想・評価

3.5
続けては見ないだろうと思いながら見た人も多いだろう。 なにしろ何もかもが大マンネリである。

ドラマでは視聴率を稼げなくなった今どき、20%超という滑り出しは、ボスキャラに泉ピン子を置きさえすれば「あとは何も変える必要ない」という作り手の思いきりが当たったということなのか。

シーズン4で36歳だったデーモン未知子はまだ40歳。まだまだいくらでも続けられそうだが、米倉涼子はデーモンと清張の悪女役専門でいいのかいな。内田有紀は童顔だなあ。

……というところまでが初回の感想で、以降が後半(最終回ではない)の感想。

飛び飛びながら70%ぐらい見たような気がするし、「ドクターY」なるスピンオフまで見てしまったので、最終回を待たずに先に感想を書くが、おそらく中園ミホの代表作となるであろうこのドラマの主題は、一貫して派閥抗争である。

その舞台は自治医大をモデルとする帝都医大付属病院から、国立がん研究センターをモデルとする国立高度医療センターを経て、今回は東大医学部附属病院をモデルとする東帝医大病院へと着実にグレードアップしているのだが、いずれにおいても、各派閥には、内律的であれ外挿的であれ何らかの「理」があり、それを解さない米倉涼子の手術の結果、派閥を利する運命の天秤が左右に揺れ傾くというストーリーが繰り返されている。

ドラマを実質的に作るのが助演俳優たちである以上、この設計は正しく、おまけに多彩な美男美女をゲスト患者として登場させることもできるというよくできたフォーマットなのだ。
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