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ZeroZeroZero 宿命の麻薬航路のかのレビュー・感想・評価

ZeroZeroZero 宿命の麻薬航路(2019年製作のドラマ)
3.3
買い手(イタリア)・仲介人(アメリカ)・売り手(メキシコ)のそれぞれの立場から麻薬に関わる人間を、壮大なスケールのロケーションで綴る骨太なクライムドラマ。
利権を巡ったそれぞれの思惑が複雑に交差する様はなかなかに面白く、マフィアものに求めるバイオレンスさも充分に備わっていて見応えは充分。 ...なのだが、このドラマは構成があまり上手くない。

特定の人物に焦点を定めて並列させずに物語を進め、後半で別の人物へと視点を切り替え時系列を遡る、という種明かしのような構成が、あまりドラマとしての面白さに繋がっていないように思える。

各話でこの構成がベースとなっているせいで、登場人物の生死や邂逅をメタ的に推理できてしまうのが特によくなかった。この語り口を面白さへと昇華できていたのは2話までで、それ以降は手法に固執するあまり逆にストーリー上の驚きを奪ってしまっている。本末転倒。

リンウッド姉弟の輸送パートが全体的に浮いてて、早々にネタ切れ臭が漂ってしまっているのも少し勿体ない。砂漠でイスラム過激派と接触するくだりはこのドラマには必要なかったような...。

デイン・デハーンの色気に釣られて最後まで見たものの、最初の2話がピークだった感じは否めず。なんとも惜しい。
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