タイムループに付随して謎空間が膨張と縮小を繰り返すイメージ。謎が解決したと思ったら次の謎が生まれる。
悲しい話が多い。その合間に、束の間の幸福が、カナヅチの下手な息継ぎのように訪れる。
タイムループしたら人がどんな行動をとるか、一通り見せてくれてる。
自分がもし過去の人生の分岐点に戻れるとしたら、タイムリープしたいか?ということを想像するのが楽しい。
多くの人にそれがあるように、私の最も大きな人生の分岐点は、中学3年だったように思う。
クラスメイトの誘いで麻雀好きの塾長がいる塾に通い、対戦ゲーム三昧の高校生活を送ったことが、今の自分の礎を築いた。
あのときクラスメイトが違ったら、今の自分とかけ離れた存在になっている。性格も仕事も人間関係も全然違ったものになっているだろう。
従って、過去に戻りたいか?という問いは、私にとっては今の私の死を意味する。
おそらく、あの塾に行かなかった世界線の今の私は、天真爛漫で、愛想を振り撒きながら、サラリーマンとしてそれなりに人生を謳歌しているような気がする。
多少の奇行はあれど、小難しいことは考えず、ヒリつくような生き方を避け、世界の解像度もぼやっとしたまま、ごくごく普通の、しかし幸福な人間になっているように思う。おそらく、今の私と話が全く噛み合わない。