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昭王〜大秦帝国の夜明け〜のtanziのレビュー・感想・評価

昭王〜大秦帝国の夜明け〜(2017年製作のドラマ)
4.0
なんだかんだ言って面白かった!主人公補正とかほぼない硬派な作りに好感を持ったし、自分では到底生き残れそうにない春秋戦国時代七雄間で繰り返される策略同盟裏切りの“仁義なき闘い“に唖然とするのもオツ。

前半を引っ張った宣太后の寧静がやたらに良い。(前作の縦横は未見)
中盤、地味な協議ばかり続く演出にはかなり我慢を要求される。が、史実は確かに凄いんよね。
人の業なのか戦争で落とし所もない局面の縮図かちょっと身震いする。

昭王とくれば長平の戦い。それまで戦場面とか全くなかったのが嘘のような合戦シーンてんこ盛り 。38話中実に8epもかけて描いとる。

20万の趙の投降兵虐殺は読んだし兵糧不足が理由なのも分かってるけど、そこに至るまでの秦王范雎そして妻趙曼との思惑やすれ違いと白起上将軍の苦悩がねっとり描写され見応え充分だったぞイケオジすぎる。
『20万の投降兵を生き埋め』この事実から連想する人物像とは違った白起の存在のみが唯一筋が通ってたのが興味深い。

白起が死んでからは、范雎を逃げ切らせるのか連座させるのかどちらの説をとるのかだけに興味は集中。良かったよ、昭王を心底嫌うことにならずに。

見終えてしばらくは、ずっと白起の事を考えていた。

「賢者を雇うのは覇業を成すより難しく、用い続けるのは雇うより難しく、一番難しいのは賢者を信じること」
昭王に対する最後の言葉が胸を衝く。

が、仮に自分が昭王なら正直あの孤独に耐えきれずやはり范雎を選ぶかもという気もするんですよね…。
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