【激動の時代を生きた閔妃】
朝鮮第26代国王高宗の妻、明成皇后の一代記。日本では閔妃として知られる人物。
王朝史上最も多く、各種文学作品で取り上げられている王妃ではなかろうか。
世界全体が激動の時代へと向かっていく19世記の終わり、高宗およびその家族にまつわるストーリーとして、また日本の歴史にも直接的に絡んだトピックも多く、興味深く鑑賞した。
ありとあらゆる思惑のなかで、頼れる人もいないなかで、生きるために強くいるしかなかった女性、明成皇后。いかにして彼女が女傑となっていったのか、突然の入内、夫婦関係、義父との確執、国母としての自覚 etc...
長いだけあって、これでもかってくらいに描き倒したのではなかろうか。
明成皇后を演じたムン・グニョン(子役)→ イ・ミヨンの流れは自然だった。子役が合わせたのか、元々二人の持つ雰囲気が似ているのか、特に、悲しそうでもあり何か深く考えているようでもあるジッと一点を見つめる表情なんかは、いずれも引き込まれた。
イ・ミヨン降板後、キャストがチェ・ミョンギルに代わり、イメージが変わり過ぎてしばらく慣れなかったけど、彼女は彼女で、後半を演じる役者としてはむしろハマっていたと思う。「女傑」という言葉で語られるくらいに強い女性であったそのキャラクターを思えば、結果的にはチェ・ミョンギルの方がハマり役なのかもしれない。