Brynhildr38

サバイバー 60日間の大統領のBrynhildr38のレビュー・感想・評価

サバイバー 60日間の大統領(2019年製作のドラマ)
3.9
リメイク成功。
「24」のジャック・バウアー役を演じたキーファー・サザーランド主演の「サバイバー:宿命の大統領」をオリジナル版として、韓国と米国の諸々の違いを考慮してリメイクされたドラマ。全16話。

大統領の施政演説中、国会議事堂が爆弾テロで崩壊し政府要人の大多数が死亡、憲法の定めに従い継承順位が低い環境部長官のパク・ムジンが大統領権限代行のポストに就くが、政治感覚ゼロの元大学教授は、果たして次の選挙までの60日間、国の舵を取るという重責を担えるのか?(あらすじより)

最初、弱気なパク・ムジンにイラッとしたが、テロの首謀者探しに加えて、次から次に起こる政治的な問題を先送りせずに真摯に向き合い、秘書官や家族に支えられて成長していく姿に惹き込まれる。また、脇を固めるそれぞれの人物像も丁寧に描かれていて私好み。

このドラマが素晴らしいのは、現在の韓国の状況・課題、日韓関係、米韓の軍事的問題など重いけれどもタイムリーなテーマを間接的ながらも、エピソードを通してわかりやすく取り込んでいるところで、そこがオリジナル版を超えて評価されているかと。

登場人物多くキャストも重厚。
大統領権限代行パク・ムジンを演じるチ・ジニは、本当に「いい人」に見えてまさに適役でスーツが良く似合う。代行を支える秘書室長ヨンジンを演じるソン・ソックは、冷徹に見えながらも代行に惚れ込むところが可愛いくて、前髪短過ぎのキャラと愛でていたが、実は飛ぶ鳥を落とす勢いの人気俳優と後で知って納得。テロ事件の唯一の生存者で国会議員のオ・ヨンソクを演じるイ・ジュニョクは安定のイケメン枠、さすがにその若さで大統領候補は無理があるでしょと思いつつ、姿勢(立ち姿)の良さは見習いたい。大統領府報道官のギム・ナムウクを演じるイムセンは、飄々とした感じでこのドラマの癒し役担当、私の中の脱北者イメージが覆る。

ちなみにこのドラマの主な舞台となった「青瓦台」は、「帝王的権力の象徴」ってことで「国民にお返しする」と、大統領府としては2022年に移転されてます。これ個人的にはとてももったいないと思う。アメリカで言うところの「ホワイトハウス」ですよ。一般公開するのは良いけど、どうなの?
歴代大統領の多くが悲惨な末路をたどったジンクスを避けるためとメディアに書かれてしまう辺りが・・・(以下、自粛)

恋愛&イケメン度少な目の韓国ドラマに興味ない方も楽しめるエンターテインメント作品(と思います)。おすすめ。
Brynhildr38

Brynhildr38