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チェルノブイリのcharoのレビュー・感想・評価

チェルノブイリ(2019年製作のドラマ)
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1
原子炉の灰を橋から眺める人々。
美しく描かれているけれど
とても狂気的で恐ろしい…

まだ放射能の威力に気づかず近くで作業している。
見ているだけで胸が苦しくなるし痛々しい。

危険なのを知った段階になっても
権力には逆らえず…汚染された区域に踏み入れる。

子供たちの元気な声とは裏腹に
悶え苦しみ落ちてきた鳥、、、
チェルノブイリのその後を表している。


2
市民に広がる不安。たった一日で被害が拡大。
保健所で山積みになった汚染服たち。
触った人までも次々に被曝していく。
(広島の2倍の量があったのか…)

真実を伝える専門家、その声を聞き入れない上層部。
“こんな事故は地球上に前例がない。“
こういう時こそ力を合わせるべきなのに対立が…

2日目にしてついにみんなの避難が始まった。
一週間以内に死んでしまう3人の犠牲者…
大勢のために彼らが世界を救うのか…

水の中に入っていく3人。見ていて怖すぎる…
そして希望の光が消えてしまう…


3
無事に帰還したけど…触れちゃダメなのに…

関係者たちの会話は至る所でずっと盗聴され、
炭鉱の人たちまで巻き込んで汚染を阻止させられる。

地下での作業風景や、被曝の様子がリアルで痛々しい。

入る時赤ちゃんはいないか確認したのに、
幕の内側に入らないでって言われたのに、、

関係者たちが段々とつながっていく。
遺体は袋詰めにされ、木箱へ、そして
鉄の箱へ入れられ、最後はコンクリートで固められる。

毎回クレジット部分で流れている音楽が、
原爆の数値測る音?っぽくてゾワゾワする。
(そこにいくつかの音が重なっているのも恐怖)


4
キャベツ畑を伐採していくショットすごい。
防御服を着て、動物を殺し、町中を消毒し、
こんなことがリアルに起こっていたなんて信じられない。

”苦しませるな”大量の犬が穴へ落ちていく姿。
母のことを救って死んだお腹の子供。
黒煙を落とす命懸けの作業。
真実を語る時がついにきたのか。


5
裁判で事件を語る瞬間。

髪が抜けたり手が動かなくなったり、
ちょっとずつ身体に支障が響いている。

ここでの上下関係や、勢力の強さで、
命令の記録を断り、無理難題を押しつけていた。

350キロのものがぽこぽこ動いてるあの光景。
そして爆発へ…恐怖の瞬間。

“ウソをつくたびに真実へのツケがたまる“

不思議なデザインの牢獄と音楽からの、
ミッキーマウスのショットとても奇妙。

“世の中の大半は真実の発見を望んでいない。
だが真実は常にある。
たとえ人々が見ようとしなくても
真実は人の欲求や政府や観念や
宗教に左右されたりしない
ただ発見の時を待っている。
ウソの代償は?“

桟橋に集まった人々は全員亡くなった。
そして死の鉄橋と呼ばれている。

いまでも病院の地下にある衣服たちは、
すごい量の放射線を放っている。

子供が産めないと言われた母親が
今では息子と暮らしていたり、
死亡したと報じられた戦士たちも
数人は今でも存命していたり、
情報が異なることも多かったが、
ソ連は死亡した人々の記録はしておらず。

避難は一時的なものと言われたが、
現在でも戻ることは許されていない。

4号機を覆い100年間も放射線を
閉じ込めることができる建物が2017年に完成。

正確な被害者数は今も分からずのまま、
ロシア側からは31人と伝えられている…


みた後は頭の中を整理する時間が必要。
そして消化するまでの時間も必要。
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