matchypotter

ガリレオΦのmatchypotterのレビュー・感想・評価

ガリレオΦ(2008年製作のドラマ)
3.9
そうだ、そうだ。
“変人ガリレオ”湯川の学生時代は三浦春馬だった。やっぱりこの人、カッコいい。

福山雅治湯川の学生時代を見事に演じ切る。
この場合、“変人ガリレオ”湯川というか、“福山雅治の湯川”が彼に完全に乗り移ってるというか。
お馴染みの湯川の学生時代、なかなか想像しにくい気もするけど、まさにそれ、になってる。すごい、これは本当にすごいと思う。

これ前に観たことあったかどうか定かではなかったが、観始めた瞬間に思い出した。

“変人ガリレオ”湯川と刑事草薙の再会を叶えてしまう密室殺人と、湯川と草薙の出会いの起源となる学生時代の事件が並走するガリレオシリーズの発端、ゼロ。
、、、あの『容疑者Xの献身』の時の湯川の友人、石神、、、も。

相変わらずの渡辺いっけい栗林。砂浜でナンパにトライするも素敵な総スカン感。もはや、このシリーズの名物キャラ。いちいちうるさい。

そこに謎のライバルというか、渡辺いっけいの追い足しみたいな存在で出てくる長澤まさみ。
この謎のキャスティング。これもまた良いキャラ、良い存在感、そして、相変わらずめちゃ可愛い。

今回は時系列的に柴咲コウも吉高由里子もいないので刑事でもない彼女がどちらかというと栗林側からある意味その役割を一手に担う。ある意味で大役。
それを一発SPドラマで担い切る度量、只事ではない。
彼女がガリ勉物理学生で、湯川にちょっと、、、って、、、もう、ずるいわ。
もちろん香里奈も素敵だけど、アワアワする感じの長澤まさみ、お茶目で可愛い。

そしてこっちもある意味いつもと変わらない湯川。
犯人が誰か、なぜその人は死ななければならなかったか、動機はなんだ、そこに興味はない。

ただただどう死んだか、不可解な状況、不可能と言われる現象に興味を持つ論理的考察からの仮説と実験と立証男、湯川。

TVシリーズは、そんな事件の裏に潜む人間ドラマに全く興味ない男湯川の完全客観的捜査協力スタイル。
映画は、湯川の周りでやや主観や主体さが引きづり出てくるスタイル。

このSPドラマは、まさにその間をいくような、TVにも映画にもないこれはこれで全く別のガリレオシリーズの魅力を醸し出している。

事件やトリック自体も、ロケーションも、TVよりは派手でありながら、映画版よりはこじんまりしてて的も絞られている。
こじんまりはしてるけど、現在と過去で厚みはしっかり、たっぷり。さすがフジテレビのSPドラマ。

あの火事になっちゃう浜辺の近くにある離れ。
“離れ”って“母家に近いけど独立してるお城”みたいでめちゃ憧れる。そりゃ住み着いて居座りたくなる。

なんやかんやと実際に自分から足を運び、自分の目で見て、触って、体感して、自分の耳で聞いて、自分の頭で考えて、試して証明する湯川のスタイル。

これもある意味、警察のオーソドックスで一歩一歩確実に進む地道な捜査方法に近いところがあると今更気付けるSPドラマ。

最後の垢抜けた長澤まさみ、これは反則。


F:1868
M:2531
matchypotter

matchypotter