信念と行動の新たなキャプテンアメリカの誕生。
これまでのドラマシリーズの中で一番複雑かつ一番新たな世界の歪みに真正面に向き合っているがゆえに、流れに乗るまで時間がかかった気がした。
指パッチン後に一度消えた人々が戻ってくる。聞こえは良いが、当然ながらそこには問題が山積み。それを初めてシリーズで描いている。非常に政治的だった。一瞬見逃すとわからなくなる。
そんな世界のなかで、キャプテンアメリカの盾を引き継いだファルコンことサムの葛藤と覚悟の物語だったと最終話で一気に繋がっていく様はもう見事としか言えない。
アメリカが抱える人種問題をえぐりながら、まさかのあの宿敵が出てきたり、あの国が登場したりと興奮が積み上がっていった。
ウィンターソルジャーことバッキーへのスポットの当て方も絶妙。これは決してサムだけでもバッキーだけでも成り立っていなかったと思える。
より複雑になったMCUのなかで、キャプテンアメリカという存在の高潔さはこれまでのように一本の幹を通す道しるべになる。
それが、あのスティーブがいない今果たして、引き継げるのか。
その見事なまでの解答がまたMCUへの愛を一段も二段も引き上げてくれた。素晴らしい一作だった!!!