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マインドハンター シーズン2のマツタヤのレビュー・感想・評価

マインドハンター シーズン2(2018年製作のドラマ)
4.5
このドラマはセブン、ゾディアックというシリアルキラーを扱ったフィンチャーの過去のダークなサイコサスペンス作品が好きな人なら絶対好きな作品だと思う。

面白いのは当のフィンチャーはそういったシリアルキラー映画の監督という言われ方だったり、この作品もその系列に並べられることを嫌っているようだけれど、そんなん知るかぐらいの、この手のものをもとめている人にはこんなに好みに合致するものもないと思う。

逆にせっかくダークで暗鬱な雰囲気が良いのに、たまに80年代の時代を感じさせるキャッチーなロックナンバーが流れたりとか(雰囲気崩れるー)、特に主人公たちが全米各地を飛び回ってる様を料理やホテル生活を連続的なショットでリズミカルに演出するモンタージュシークエンスなるものがあってそれもわざわざフィンチャー本人が、主人公たち忙しく飛び回ってる感が感じられないから追加したっていうシーンになってて、流石な演出!みたいな感じらしいんだけれど、こういうのって結局人それぞれ好みだよね。っつーか自分はせっかくの暗くてイイ雰囲気を邪魔された感がしてまったく要らないーって思ってただけに、インタビューとかで先に書いたようなナイス演出として触れられていたの見ると、スミマセン驕りのあるものの言い方をさせてもらえれば作り手側と受け手側って必ずしも求めてるものが一致する訳でもないし一致する必要も無くて、その延長で言わせてもらうと勝手にやっぱこの作品はセブンみたいなシリアルキラーの正式続編だ!ウォーって前のめりで見るのも自由だよなってなった(まわりくどい

なんといってもこの作品は他の映画ではここまで多彩には出てこないであろう、アメリカンサイコたちの数が凄い。シーズン2は満を持してのチャールズマンソンも登場、相変わらずそんな凶悪犯たちと面接してます。

とはいえその中でもエドワードケンパーはよう出てくるな。ケンパーの事はトマスハリスやブレットイーストンエリスも参考にしたってのは前者はまあ羊たちの沈黙だろうけど、後者はつまるところクリスチャンベールのアメリカンサイコってことか。んでケンパーのヤバさは自分の親の殺し方もさることながら裁判で自ら「拷問死」を希望したってところからも感じられるよ。。

さて本ドラマは残念ながらシーズン2で終わり。ネット情報では契約は残ってるけど無期限保留という微妙な表現でシーズン3への一縷の望みをもってたんだが、どうやらフィンチャー本人も予定が無いことを認めたらしいね。1週間90時間労働で全てを奪われる、視聴者数の割に予算がかかる、コストとのバランスが合わないだと。。そんでマインドハンター辞めてマンクを撮ったとのこと。

シーズン2のラストでBTK絞殺魔の意味深なシーンで終わったけど、シーズン3はそのBTK絞殺魔との捜査から逮捕までを扱う予定だったとのことで、見たかったー

最後にフィンチャーと脚本家ジョーペンホールの話し。「デヴィッドと私がサイコパシー、ナルシズム、パーソナリティ障害に関心を寄せていたのは、連続殺人犯というよりも、高い地位にいる政治家にそういったタイプの人間が多いことを風の噂で知っていたからなんだ」
これホントあるよね政治家に限らず高い地位にいる人達とか。今度はそんなドラマも見たい
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