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ヴァンサンカン・結婚のnorisのレビュー・感想・評価

ヴァンサンカン・結婚(1991年製作のドラマ)
3.7
キザったらしい小林稔侍(広告代理店の営業部長)と、当時から犬みたいな石黒賢(青年医師)の間で、24歳の安田成美 が心を揺らすというドラマ。当時の24歳は、結婚するか、それとも仕事に生きるかという決断を迫られる年齢である。

舞台は91年で、安田がDCブランド(!)のプレスというトレンディっぽい設定でありながら、実は小林が不治の病に冒されていたりする不穏さがバブル崩壊直後の不安な世情を伝える。一度見たら忘れられなさそうなファーストシーンでは、安田が西新宿の小林のマンションからブラインド越しに東京都庁(まだ建設中)を眺め、「できあがったら悪魔の建物みたい」とつぶやく。部屋の壁にはニューシネマが映写され、ボブ・ディランの「I Shall Be Released」が流れている。けだし、崩壊の予感である。

#菊池桃子 が演じるイケイケの女性の生き方が「右子現象」なるものを生んだというのだが、何のことを言っているのかもはやわからない。
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