演劇によるバリー自身の露呈という内省的な面が強いが故に、新しく手に入れた人生と忘れたい暴力性の板挟みの世知辛さがより際立つ。隠し事を演劇に活かしていく一方、隠し事により第2の人生が妨害されるというのは表裏両立もの(？)でありがちだがやはり辛い。が同時にコメディとしても非常に秀逸で、シリアスさと笑えるブラックさのバランスがまた巧いなあと思った
ビル・ヘイダーのあのかっぴらいた目がコメディにもシリアスにも移行する力を持ってる時点で凄い演技力だと思うが、今シーズンでもまた監督としての手腕を発揮しており、すごい()照明に照らされる第2の人生を望みながらも、最後は闇に消えていくバリー。次シーズンはどうなっちゃうんだ
全話良かったが、個人的には特異すぎる5話が1番お気に入り。ダニエル・バーンハード暗殺がテコンドー娘の乱入をきっかけに拗れまくり、とんでもないギャグの応酬で最後は取り敢えず丸く収まる。ストーリーのワンクッションとしても良いが、意味不明に意味不明がどんどん積み重なっていく作りがコメディとして最高すぎた。ビル・ヘイダーの監督としての才能が垣間見える
