浅野公喜

ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン2の浅野公喜のレビュー・感想・評価

4.3
人気オカルト系ドラマシリーズのシーズン2。個人的にシーズン1より面白かったです。

日常の中に非日常的要素がシーズン1より多く盛り込まれたのは個人的に好きな系統。ウィルだけが見る非現実的世界は「IT」(リメイク版はまだ未見)の発展形と言えそうな大迫力のもので、憑りつかれる様は「エクソシスト」のようでもあり、最後のエピソードではちょっと「グリーンマイル」みたいになります。個人的により好きになったキャラは帽子がトレードマークのダスティンで、所々身勝手なものの皆が距離を置くようなモンスターを飼い始めたり、造語を考えたりスティーブからアドバイスを受けて当時流行りのマレットヘアでイメチェンしパーティーに参加したりと彼だけをピックアップしても一つの作品が出来そうな充実ぶりでした。

ゾンビ小僧と言われ変人扱いに悩むウィルにDavid Bowie(革新)とKenny Rogers(保守)を例に挙げ「どっちと友達になりたい?凡人なんかと居るより変人と居る方が良い。凡人は意味の有る事なんか成し遂げられない」と兄ジョナサンが励ます1話「マッドマックス」全員「ゴーストバスターズ」の仮装をするものの学校では他の誰も仮装せずに浮きまくり、お菓子を求め人の家に寄っても映画ではなく単なる可愛い害虫駆除業者と思われてしまう2話「変わり者たちのハロウィン」がお気に入りエピソード。

新キャラで強烈なのはゲーマー女子マックスの義理の兄・ビリー。ScorpionsやRatt、Ted Nugentのようなハードロックを聴き(家にはMetallicaやMotley Crueのアルバムも飾られてる)2世代目のシボレー・カマロを乗り回し筋トレに励む粗野なキャラは典型的悪役というかレッドネック(車のナンバーはカリフォルニアですけど)。しかしそんなマッチョな彼も父親には逆らえないのか怒られた後泣いてたりと意外と脆い面が有り、後のシーズンでどんな扱いを受けるのか楽しみ。ウィル達にとって義父的存在のボブを演じたショーン・オースティンは80年代のジュブナイル物の傑作「グーニーズ」に出演していた人と知り驚き。

84年が舞台なのでその頃のヒット曲が多く流れますが、5話「ディグダグ」の11分目辺りのルーカスの家で流れている曲は 「You Ought to be With Me」というムーディーなR&Bなんですが、これはどうやら「ロッキー」のアポロ役で有名な Carl Weathersの曲らしくやたらマニアック。
浅野公喜

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