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世紀末の詩のkanacoのレビュー・感想・評価

世紀末の詩(1998年製作のドラマ)
5.0
1998年日テレ系、野島伸司が脚本。愛を信じる若者(竹ノ内豊)と愛を否定する初老の男(山崎努)が、出会った人々の「愛の形とその顛末」を見つめ「愛とは何か」を真正面から真摯に問い続け、答えを提示する一話完結型の人間ドラマ。ジョン・レノンの音楽が世界観をより一層美しく哀しく盛り上げ、余韻に浸ることができる。(149文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

1998年日本テレビ系で10:00から放送していたテレビドラマ。野島伸司が脚本。

ドラマをあまり見てこなかった私の、最も好きなドラマ1位の座を今も更新中🥳

VHSにはなっているみたいですが、サブスクはおろかDVD、BD化すらされていないようなので完全に記憶でMARKします。うっかり間違っていてもご容赦ください😂

★ストーリー★
結婚式で婚約者に駆け落ちをされてしまった野亜(竹ノ内豊)と、学長選挙で敗れた大学教授の百瀬(山﨑努)。それぞれで同時刻に飛び降り自殺をしようとしたところ偶然出会う。そして、それを見て笑う謎の少女ミア(酒井真紀)。自殺をするのは止めて、百瀬が旅にでるのに使用するという潜水艦を作るため、3人は一緒にバラック小屋で暮らし始める。愛について正反対の考えを持つ…つまり「愛」を信じる若者の野亜と「愛」に否定的な初老の百瀬は、それから出会う人々の「人生」と「愛の形」を見つめ「愛とは何か」について問答し、その答えを見つけていく。

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主人公は旧約聖書から名をつけられただろう野亜と百瀬。2人が各エピソードに登場するゲストたちと絡み、ゲストたちの「愛の形とその顛末」を見つめ、「愛とは〇〇である」と答え出していく1話完結型の構成です。寓話的なものも多く、神話や聖書からの引用もあり、まるっとチャップリンじゃん😶と思ったようなエピソードもありました。

ゲストたちのエピソードは、様々な男女の恋愛、親子愛、家族愛、夫婦愛、自己愛、他者愛など幅広く、どれもそこに「愛」は存在したはずなのに、悲劇的な結末を迎えてしまうのがお決まり。それは毎回あまりにも悲しく、しかし時にとても美しく、「愛」について答えなどないという永遠のテーマ性を感じさせます。それでもこの作品は「愛とは何か」を恥ずかしがることなく真正面から問い続け、その答えを提示します。迷いながらもこの世に愛は存在すると信じる野亜が、全てのエピソードを経験し、最終話で出した「愛の結論」は何か…というのが大筋の流れです。

そして、主題歌のジョン・レノン「LOVE」やオープニングや挿入歌であるジョン・レノン 「STAND BY ME」、そして美しい音色でBGMとして流れるバイオリンが「愛を問いかける」世界観をより一層、美しく哀しく盛り上げます。エンディングで流れる「LOVE」の冒頭、必ず「ハローベイビー」から始まる詩も印象的です。

…とか言って、私は最終話で出した野亜の愛の結論は、結局難解で全然分かりませんでした😂😂😂このドラマが放送時、私中学生だったからか「はぁ🙄❓❓❓」ってなっていました(笑)今見たらちょっとは分かるのかな~。でも見ようにも見る媒体がない😂

なお、私が好きなエピソードは第2話 「パンドラの箱」、第4話 「星の王子様」、第6話 「天才が愛した女」、第7話 「恋するコッペパン」かな。

【エピソード】
第1話 「この世の果てで愛を唄う少女」ゲスト:広末涼子
第2話 「パンドラの箱」ゲスト:斎藤洋介
第3話 「狂った果実」ゲスト:清水綋治
第4話 「星の王子様」ゲスト:谷啓 真柄佳奈子 布施博
第5話 「車椅子の恋」ゲスト:三上博史 純名里沙
第6話 「天才が愛した女」ゲスト:藤原竜也 徳山秀典 南果歩
第7話 「恋するコッペパン」ゲスト:桜井幸子 大江千里 池脇千鶴
第8話 「恋し森のクマさん」ゲスト:田中健 持田真樹
第9話 「僕の名前を当てて」ゲスト:大沢たかお
第10話 「20年間待った女」ゲスト:杉浦直樹 永島暎子
最終話 「LOVE」 ゲスト:ジョイ・ウォン 伊藤歩
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