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ベター・コール・ソウル シーズン6のragaのレビュー・感想・評価

4.5
珠玉のドラマの完結編は、先行きが読めない展開でポテンシャル高い脚本だが、最後の公判におけるソウル・グッドマンからジミー・マッギルへと戻る弁論シーンはカタルシス弱いまま終幕する。州法曹協会の聴問会でチャックをやり込めたジミー、サンドパイパー裁判で孤立した老女アイリーンを助ける芝居に打って出るジミー、携帯電話販売を邪魔した警官を殴って実刑を受けそうになったヒューエルを偽の嘆願書や慈善活動で執行猶予へ持ち込んだジミー、そして弁護士資格を取り戻すために査問委員会でアドリブかますジミー、彼は言葉によって運命を変えられると信じている。そしてキムを呼び出したあの弁論で彼自身の運命を変えてしまう。ならば前フリでもっとキムを窮地にして欲しかった。ジミーは言葉に助けられて言葉に溺れる。本心を語る言葉が、懺悔の域を超えたところに彼の本領があったはずなのだ。ともあれジミーは死なず。これがこのドラマの核心であろう。
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