二兵

デアデビル シーズン2の二兵のレビュー・感想・評価

デアデビル シーズン2(2016年製作のドラマ)
4.0
シーズン1やジェシカより大幅に戦闘シーンが増えており、最後まで飽きずに、早いペースで見終わる事ができた。

今作ではパニッシャーことフランク・キャッスルが、もう一人の主人公にしてヴィランとしても登場しており、実質『パニッシャー』エピソード0と言って良い内容となっている。犯罪者と見れば絶対に逃さず、必ず殺す彼のやり方は、正直ヒーローとは言い辛い部分もあるが、家族絡みのエピソードやカレンとの交流の場面など、人間くささが感じられるところもあるため、決して嫌いにはなれなかった。

良くないのは寧ろ本来の主役であるマットで、デアデビルとしては苦戦する部分が目立つだけでなく、職場の同僚であるカレンと恋愛関係になったにもかかわらず、昔の女が現れて、彼女の方に気持ちを持ってかれたりするなど、何だかだらしない…ネルソン&マードックは結局解散してしまったが、シーズン3で再び修復されるのだろうか。そして同僚がアレなのにフォギーが相変わらず良い奴すぎて、色々不憫である。

新たなヒロインとして、原作ではマットのパートナーであるエレクトラが登場するが、とにかく面倒臭いキャラクターで、あまり好きにはなれなかった。上にも書いた通り、マットの元カノで、ある事をきっかけに再び接触してくるのだが、色々場を引っ掻き回すので、寧ろマットにとっての障害となった印象のあるキャラである。

デアデビルとエレクトラが協力して戦う場面は何れもアクション描写に力が入っており、シーズン1で見られた長回し戦闘シーンも健在。もちろんパニッシャーというかフランクの戦闘描写も。中でも刑務所での囚人・警察との一対多数の大乱闘シーンは血みどろで異様な迫力があり、実に見応えのあるものとなっている。マットもフランクもヒーローではあるが、元々特殊能力を持たないただの人間であるがゆえに、追い詰められる描写も多い。全体的に爽快感よりもリアルかつハードさが感じられる戦闘場面が多く、それが良い緊張感をもたらしている。

メインヴィランとなるヤミノテのニンジャ(決して忍者ではなく)集団は、おかしな日本語や"蘇生"云々のファンタジーみたいな設定のせいで、今シリーズが持つダークかつリアルでハードな世界観にはそぐわず、寧ろB級映画感が出てしまっているのが残念。中盤に登場したあの人の方が、雰囲気的にも設定的にも、やはりヴィランとしては格上だと感じた。

法廷劇としての面白さが感じられるパートもあり、マットやエレクトラ絡みのエピソードがややグダグダなのを除けば、最後まで面白く観られたドラマであった。シリーズ最高の出来と評されるシーズン3はもちろん、パニッシャーの単独ドラマも楽しみになるクオリティ。
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