2023からNHKオンデマンドに入ったおかげで朝ドラをまとめ見する生活に。
これは昨年末に見終わった作品だが現在15作ほど見終えたところで暫定ベストで、もし今後これ以上の朝ドラに出会えるとしたら未見の過去作だろう。
2020以降の作品は、一作を除いて佳作秀作揃いながらコンプラ時代のリミッターがあり傑作には届かないでいる印象。近年ではかなり踏み込んでた「おちょやん」でさえ、ぬるさを感じてしまった。これからの朝ドラはそれでいいという事なのかもしれないが。
この作品には、父親を始めとして「他者」が存在していた。主人公＝観客が感情移入して自己同一化しがちな存在、のために他の登場人物が奉仕する構造になっていない。主人公は必ずしも正しくなく、倫理から外れた行動もする。だからこそ真情が見える。ストーリーに、現代の視点での都合のいい改竄がない。あっても少なくて気にならない。
何より、作り手の“メッセージ”の押し付けがない。それは観客が個別に読み取るもの。
という事で見終わるのが悲しかった朝ドラNo.1です。
一点だけ、個人的に苦手なレディコミ的バイブスを感じる回が散見されたのが残念。まあ好みの問題。
